スポーツイベントと自然環境の関係:北京オリンピックを例とした場合

今回は少し固いテーマでお送りしたいと思います。真面目なお話です。最初に「スポーツツーリズム」について簡単に定義しておきますね。

スポーツツーリズムとは

日本の旅行会社大手であるJTBによると、「スポーツツーリズムとは、スポーツを見に行くための旅行およびそれに伴う周辺観光や、スポーツを支える人々との交流などスポーツに関わる様々な旅行のこと」だそうです。現在日本国内において、訪日外国人数が増えているというニュースを良く聞かれるかと思います。それもチャンスと捉え、日本国内においても、例えば大相撲、プロ野球、Jリーグ、ゴルフ等、スポーツ資源があります。旅行というのは、言ってしまえば人の移動そのものですから、イベントを目的に人が集まる現象と捉えることもできるのかもしれませんね。

大型スポーツイベントといえば、オリンピックやワールドカップですが、今回のお話はそれらがどう生態学的な面から見た環境に影響があるのかと言うことをお伝えしたいと思います。

オリンピックにみる環境への影響−主に2008年北京オリンピックを例として

皆さんは北京といって何を思い浮かべるでしょう。北京へ旅行に行くと想像すると、私であれば、まずは大気汚染対策をしなければ、と考えてしまいます。北京五輪を開催する折に、環境面では様々な心配事がありました。もちろん大気汚染で発生するスモッグ等が一番最初に頭を過りますが、オリンピックを開催すると決定すると環境面にも対策が講じられることがあります。

実際、北京オリンピック開催の10年前から環境問題、特に大気汚染を改善するために政府主体で色々と対策がなされたようです。しかしながら、これら対策にも関わらず、世界各地から集まった選手の中には、特に屋外で行う競技を中心に健康に影響が出たということです。結果論として、オリンピック開催は環境問題に対して良い結果を残せなかったと言えるのではないでしょうか。オリンピック開催後も、自動車の排気ガスや工場からの排出物などで健康被害が出ているという情報もあります。

我々の東京オリンピックもこれら事実を念頭にエコや環境に気を配った大会となるように、政府にも頑張ってもらいたいところですね。